建築現場に欠かせないシーリング作業、その目的と重要性について

建築現場ではシーリング作業を丁寧にやることが大事だと言われています。
側から見ると細かくて地味に思えるシーリングですが、なぜそんなに重要なのでしょうか。
シーリングには一体どんな意味があるのでしょうか。

防水機能

シーリングの第一の目的は「防水」です。
建築物に水は大敵です。
特に日本のような木造家屋ではわずかなすき間から侵入した水分が建物を腐食させ、
深刻な強度低下を引き起こす事があるため防水は最優先課題のひとつです。
現代の建築では建材のほとんどがユニット化されていますが、
ユニット構造であっても防水は十分とはいえません。
部材同士を組み合わせるとどうしても接合部にはわずかな隙間ができてしまいます。
眼に見えないほど細いすき間であっても完全に塞がっていない限り、
水分は容赦なく天井や壁から侵入してきます。
ほんの少量の水分であっても長年に渡り染み続ければ腐食やカビを引き起こし、
住宅の強度低下や健康被害の要因となります。
そんな事態を防ぐためにもシーリングで完全に隙間を塞ぐ作業が大きな意味を持ちます。

シーリング材の種類

シーリング材には単体で水分や空気と反応して硬化する1成分形と、
硬化剤などと混ぜで使われる2成分形の大きくふたつに分けられます。
1成分形は単体で作業できるので使いやすく、DIY用途などによく使われます。
デメリットとしては自然状態でも効果が進んでしまうため
作業ごとに使い切る必要があることです。
2成分形は混合作業が必要なため手間がかかりますが、
混ぜない限り成分が変化しないので長期保存に強く主に専門業者が使用します。
強度も2成分形のほうが高く保護力も長期間持続しますが、
混合割合に専門知識が必要なこと、
シーリング材混合後は手早く作業する必要があることなどからDIY用途には不向きです。